ここはもとコメグラともいわれた田園地帯 稔りの秋を目前に、 黄金の波をうたせていた美田は、一夜にして泥海と化してしまった。 決壊口からの水は今なお勢いを衰えさせない−−むしろ猛威を加えつつあるようだ。
弥富電話中継所が泥海に中に孤立しているのがみえる。 『く』の字形の道は、かつて名古屋−大阪を結んだ国道1号線、胸までの水はいっこうに引きそうもない。 水を、食料を、そしてまだ見つからぬ肉親の姿をもとめる人の姿が目に痛い。
特に被害の大きかったところは、愛知県では名古屋全市。 一宮・岡崎・豊橋・蒲郡・豊田・半田・刈谷・碧南・津島・西尾の各市と知多郡・海部郡・、三重県では桑名・四日市・熊野・津の各市、 岐阜県では岐阜・大垣・恵那・多治見・土岐・中津川の各市である。