発刊に寄せて

マイクロ無線部長

    川原田安夫

 多くの人々に「東瑞」として親しまれて釆た東京麻布宮村 町のマイクロ瑞局か、この度閉局されることになりました。
  東瑞は昭和29年4月、わか国最初の東京一大阪間長距離マイ クロ回線東京瑞局として開設されて以来、約20年間常にわか 国のマイクロ回線網の中核として拡大発展を続け、多くの人 人の労苦により運営きれて参りました。
 しかし東京の発展に 伴う高層ピルの出現は電波伝播路障害を発生し、止むなく回 線を東京都周辺の瑞局に発展的に分散せさるを得ないことに なりました。
 この為昨年『マイクロ幹線創始の地』と米沢総 裁の執筆になる記念碑か建立され永くこのゆかりの地は記念 されたのてあります。
 今後はこの端局の局舎はマイクロ波技術の発展を伝える各 種機器とか資料の展示室として、又、若い無線技術者を養成 するための訓練センターとして活用されることか計画されて いると聞いております。
   本誌は東京無線通信部の人々の御努力により、この20年間 の移り変りを写真を中心として編集されたものてありますか、 この東端の移り変りはそのままマイクロ回線の発展の歴史でも あります。
   昨年10月マイクロ機器の全図台数は1万台を突破し、マイ クロ回線網は2万ルート粁に達し、叉、海外への進出は10万 ルート粁にもなりました。
 将来の加入電話の拡大はもとよリ データ通信、画像通信の発展は、マイクロ波技術の一層の進 展を求めており、又、更に準ミリ波、ミリ波、光披と云った ょり高い電波帯が、われわれの仕事となろうとしています。
   本誌は過去の諸先輩の輝かしい業績を物語るものてあると 同時に、将来この巨大な発展への一里塚として人々か永く大切 に保存するものの一つになることでしょう。
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